今回はアメリカの雇用統計が為替市場にもたらす影響についての記事です。
1. 米国雇用統計ってなに?
米国雇用統計は、アメリカの経済状況を把握するうえで最も重要な経済指標のひとつです。
毎月発表されるこのデータには、「アメリカでどれくらい人が働いているか」「失業者はどのくらいいるのか」などの情報が含まれています。
とくにFXの世界では、ドル円(USD/JPY)をはじめとする為替相場に大きなインパクトを与えるため、世界中のトレーダーが注目しています。
2. いつ発表されるの?
米国雇用統計は、基本的に毎月第1金曜日に発表されます。
日本時間では次のような時間帯になります:
- 夏時間(3月~11月頃):21時30分
- 冬時間(11月~3月頃):22時30分
サロン内では、この時間に合わせて事前に準備をしておくことをおすすめします。
3. どんな内容が含まれているの?
雇用統計の中でも、特に注目されるのは次の3つのデータです。
- 非農業部門雇用者数(NFP)
農業以外の雇用者数の変化。予想より増えれば景気が良いとされドル高に。 - 失業率
働きたくても職に就けない人の割合。失業率が下がればドルにとってプラス材料。 - 平均時給(賃金)
時給の伸びはインフレの目安に。上昇していれば利上げが意識されやすくなります。
4. どうして為替相場に影響するの?
アメリカの経済状況が良ければ、米ドルの価値が上がりやすくなります。
たとえば、雇用者数が予想より多かったり、失業率が予想より低かったりすると、「アメリカ経済は順調だ」と市場が判断し、ドル買いが加速します。
逆に、予想より悪い結果だった場合は、ドル売りにつながる可能性が高くなります。
5. 相場はどう動くの?タイミングに注意
雇用統計の発表によって、相場は次のように変化します:
- 発表前:
様子見ムードが強くなり、相場があまり動かないこともあります。 - 発表直後:
内容次第で大きく動くことも。USD/JPYで1円以上の変動が出るケースもあり。 - 発表後:
一時的な乱高下のあと、徐々に落ち着いていく傾向があります。
6. トレードするなら事前準備がカギ!
雇用統計の前後は値動きが荒くなる=チャンスでもありリスクでもあるということ。
そのため、以下のような事前準備が大切です:
- ポジションはあらかじめ整理する
- 指値・逆指値を正しく入れておく
- ロットサイズを控えめに調整する
7. 利益を狙うより、まずは「守る」意識を
大きなニュースはチャンスでもありますが、「ギャンブルトレード」にならないよう注意が必要です。
結果を見てから飛び乗るのはハイリスク。事前にシナリオを立て、予測外の動きに巻き込まれないための“守り”が重要です。
8. よくあるパターンを知っておこう
雇用統計のときによくある相場の動きの例:
- 「良好な結果→ドル高→その後反落」
- 「悪い結果→ドル安→しかしすぐ戻す」
つまり、「結果だけで判断して飛びつくとやられる」ケースも多いです。
しっかりチャートを見て“落ち着いてから入る”のも有効な戦略です。